スコッチ・ウイスキー

『Scoth whisky』

スコッチ・ウイスキーとは、スコットランドで造られたウイスキーのことを言いますが、
厳密には、「スコットランドの保税貯蔵庫に3年以上寝かせた、700リットル以下のオーク材で出来た樽で造ったもの」のみを
スコッチ・ウイスキーと呼ぶと、法律で決まっています。

また、スコッチ・ウイスキーには「モルトウイスキーとグレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキー」の3種類があり、
仕込みの際に、泥炭(ピート)で麦芽を燻蒸する、独特のスモーキーな香気がスコッチの大きな特徴のひとつと言えます。
このサイトは、(シングル)モルトウイスキーを中心としたサイトなんですが、
市場で流通しているウイスキーの9割以上は、実は「ブレンデッド・ウイスキー」なんです。(ウイスキーの種類についてはコチラです。

では、大まかに6箇所の地域に分けた「シングルモルト・ウイスキー」と、
シングルモルト以外の「スコッチウイスキー」の簡単な紹介させて頂きます。

1.ハイランドモルト【Highlands malt】


黄緑枠がハイランド地区。 
主に緑枠のエリアに蒸留所
が集中しています。

※ハイランド地区 ブランド別の紹介はコチラ

◆スコットランドの大部分を占めるのがこのハイランド地区。
そのため、東西南北の4ブロックで区切られていますが、現在、ハイランドモルトとしては、41の蒸留所があります。

その広域が故、一言でハイランドモルトの特色を語るのは難しく、まるで、アイラモルトのようなピート香の強いプルトニーから、
グレンゴインのようにピートを全く炊かずに造るものまで様々なモルトを造っています。
グレンモーレンジやクライヌリッシュ、エドラダワーなど、世界的に有名なモルトウイスキーも数多く造っている地域です。

2.スペイサイドモルト【Speyside malt】


スペイサイド地区は、
特にスペイ川流域に多くの
蒸留所が集中しています。

※スペイサイド地区 ブランド別の紹介はコチラ

◆この狭いエリアの中に、なんとスコットランド全体の約半分、51の蒸留所がこのスペイサイドに集中しています。
造時代には1,000を超える蒸留所があったこのスペイサイドですが、今でも大麦の生産地であり、
ウィスキー造りには欠かせない良質の水に恵まれている上、その澄んだ空気はウイスキーの熟成に適しています。

世界No.1の売上を誇るグレンフィディックや、政府公認第一号蒸留所のグレンリベット。
他にも、アベラワーやストラスアイラ、グレンファークラスなど、そうそうたるブランドが名を連ねた
モルトウイスキーの宝庫といえる地域ですね。

3.ローランドモルト【Lowlands malt】


充実感のある個性的な
味わいが特徴的なモルト。

※ローランド地区 ブランド別の紹介はコチラ

◆18世紀紀末頃から、丹念に造るハイランドモルトに対し、
大衆向けにと大量生産の比較的荒っぽい物に力を注いだのがローランド地区と言われています。
それに加え、エジンバラやグラスゴーといった大都市に近いローランド地区は、
技術革新によって伝統的な技術がすたれてしまった事が、
ローランドモルトの衰退の原因とも言われています。
現在、稼働している蒸留所は3箇所。(存在しているのは8箇所(2010年8月現在))

4.キャンベルタウンモルト【Campbeltown malt】


キンタイア半島にある
小さな町です。

※キャンベルタウン地区 ブランド別の紹介はコチラ

◆キンタイア半島にあるキャンベルタウン。その昔、ニッカウヰスキー創始者の竹鶴正隆が修行に訪れたことでも知られていますが、
ウイスキー産地としては非常に小さいエリアながら、当時は『ウイスキー産業の中心地』と言われた時代もありました。
ピークの20世紀年初頭には、その数なんと30箇所以上。まさに蒸留所がひしめき合っていた町だったそうです。
しかし、ローランド同様、大量生産にシフトした結果、現在は衰退してしまいました。

それでも、そんな中で品質を守りぬいた3箇所、現在もあります。それが、スプリングバンクとグレンガイル、そして
グレンスコシアです。アイラモルトにも似たようなピート香ですが、また違った風味や骨太な味わいを感じさせます。
中でも、スプリンクバンクは、地元英国でも非常に人気の高い銘柄で、他の蒸留所の物とは別格視されるほどの人気を誇り、
英国の酒専門店では、スプリングバンクだけ別コーナーが設けられている所も少なくないらしいです。

5.アイラモルト【Islay malt】


日本の佐渡島程の大きさ
ですが、その中に8つの
蒸留所が集中しています。

※アイラ地区 ブランド別の紹介はコチラ

◆シングルモルトの聖地とも言われ、多くのコアファンから愛されるアイラモルト。
そのどれもがアイラ独特の特徴と個性的なシングルモルトです。大麦の栽培に適した温暖な気候で、ピートが豊富、
そこに来て良質の水が手に入ることから、良質なモルトウイスキーの生産を可能にしました。

そんなアイラモルトの特徴は、なんといっても、薬品のような臭いのする「ヨード」の強さと強烈な「ピート」のスモーキーさ。
潮や磯の香りなども豊かな味わいとなってガツンと感じ、他のウイスキーとは全く異なったモルトウイスキーといえます。
アイラモルトは、ラガーヴーリンやボウモアをはじめ、アードベッグやラフロイグ、今は閉鎖されたポートエレンなど、
どのブランドも全般的に人気があるのもアイラモルトならではないでしょうか。
2005年設立のキルホーマンも今後がとても楽しみです。

6.その他諸島のモルト【Islands malt】


ルイス島のアビンジャラク
は2008年設立の新しい
蒸留所です。
図をクリックしてみると、
場所と名前が分かると
思いますよ!

※その他諸島 ブランド別の紹介はコチラ

◆北から、島の名前とブランド名を並べますが、
【オークニー諸島】:ハイランドパーク、スキャパ
【ルイス島】:アビンジャラク
【スカイ島】:タリスカー
【マル島】:トバモリー
【ジュラ島】:アイル・オブ・ジュラ
【アラン島】:アイル・オブ・アラン

となっています。それぞれ特徴があり一言では言い難いですが、共通していることは、
それぞれがはっきりとした個性を持っているということ。島のモルトだけあって、
どれも潮っぽさや海藻の風味なども似た特徴と言えるでしょう。

『その他のスコッチ・ウイスキー』【Blended / Grain/ Vatted malt whisky】

※その他 種類/ブランド別の紹介はコチラ

◆ここでは、スコットランドのシングルモルト・ウイスキー以外のウイスキーについていくつか、
それぞれの代表的なブランド名を並べてみました。(※「ウイスキーの種類」に関してはコチラをご参照下さい。)

【ブレンデッド・ウイスキー】:シーバス・リーガル、カティサーク、ジョニー・ウォーカー、オールド・パーなど
【グレーン・ウイスキー】:
【バッテッドモルトウイスキー】: