スコッチ以外のウイスキー

『Other whisky』


(上図参照「クリック」してみてね♪)

「スコットランド以外のウイスキー生産地について」

ウイスキーも産地などによって原材料や製法に違いが見られ、
そのため以下のように区別されます。

・アイリッシュ・ウイスキー
・アメリカン・ウイスキー
・カナディアン・ウイスキー
・ジャパニーズ・ウイスキー

1.アイリッシュ・ウイスキー【Irish whisky】


ウイスキー発祥の地!

※ブランド別の紹介はコチラ

◆アイルランドで造られるウイスキーをアイリッシュ・ウイスキーと呼びます。
大麦麦芽のほか、未発芽の大麦やライ麦、小麦なども原料として使用します。歴史はスコッチ・ウイスキーより古く、
その最大の特徴は、 「ピートによる燻蒸を行わないことと、単式蒸留器による蒸留回数が3回であること」。
これにより、一般的なスコッチ・ウイスキーよりもまろやかな味わいになります。
まさに、アイリッシュ・ウイスキーならではのテイストと言えるでしょう。
また、溜出液のハート(中留)部分を樽詰めして熟成したものをストレート・アイリッシュ・ウイスキー(原酒)と呼びます。
アルコール分が平均85%と高濃度なため副生成分による雑味が少なく、スコッチ・ウイスキーのモルト原酒に比べて軽いのが特徴で、
3年以上の熟成を経て、穀物の香味が溶け込みマイルドな味わいが強いです。

2.アメリカン・ウイスキー【American whisky】

※ブランド別の紹介はコチラ

◆アメリカ合衆国で造られたウイスキーですが、その特徴はなんといっても他の地域ではあまり用いられない
トウモロコシを原料として用いる点です。その理由は、アメリカン・ウイスキー誕生にありました。
当時、小麦や大麦はアメリカの大地と相性が悪く、どうにか実を結んだものは、ライ麦とトウモロコシだけでした。
それを売りに行くとなっても、アパラチア山脈を越えなければばらない・・・
開拓者の多くはイギリス系民族(後にフランスからも多く入植する)で、初期は、その余ったライ麦を蒸留していましたが、
トウモロコシを加えることで格段にまろやかさが増すことを知り、アメリカン・ウイスキーはそこから大きな飛躍を遂げました。
そして、現在造られているアメリカン・ウイスキーは、ライ、コーン、モルト。そして、バーボン、テネシーなどがあります。

2-1.バーボン・ウイスキー
■「バーボン」はご存知の方も多いでしょうが、バーボン・ウイスキーとは、ケンタッキー州バーボン郡を中心に造られるもののことを言います。
細かく言えば、現在のバーボン郡は境界変更により、かつての場所とはまったく違い、もはやアルコール飲料を造ってはいないんですが、
もともと、旧バーボン郡は、フランスからの入植者が多く、ブルボン王家を懐かしんで「Bourbon」という地名が付けられたと言われています。

バーボンの定義はいくつかあり、
「1.新品のアメリカンホワイトーク樽の内側をチャー(焼き焦がすこと)する」「2.アルコール度数62.5℃以下で2年以上熟成させる」
そして、80%以上はコーン・ウイスキーとして扱われるため、「3.トウモロコシの分量を50%以上79.99%以下で造る」
最後に、「4.原酒には水以外のものを加えない」というような、若干大まかですが、そんな定義があります。
新樽のみを使用するために、樽を厚めに焦がすので、バーボンらしい赤みがかった色合いになり、後口には苦味を感じるんですね。
当時から、最高のバーボンが、最高の名誉であることは今も昔も変わっていないそうです。アメリカにもたらした恩恵が伺えますね。
有名なブランドには「ワイルドターキー」や「I・W・ハーパー」 などがあります。

また、アルコール度数80℃以下で蒸留し、コーン・ウイスキーを除き、ホワイト・オークの新樽の内側をチャーした樽で最低2年貯蔵した
単一蒸留所で造られたウイスキーをストレート・バーボン・ウイスキーと呼びます。
単一の蒸留所で造られたウイスキーならば、熟成年数の違う原酒をブレンドすることが許されています。

これは余談ですが、例えばバーボンのトウモロコシの割合が70%の場合、他の30%なに?ってオマケですが、
その他には、大体15%程度の麦芽は必要になりますので、その麦芽15%と、残りはライや小麦などの穀物なんです。

2-2.テネシー・ウイスキー
■テネシー州を中心に造られているウイスキーで、広義のバーボンに含まれることもあるそうですが、バーボンとの違いは、蒸留したばかりの
原酒を、バーボンも濾過はするんですが、テネシー・ウイスキーの場合は、メープルシロップの原料でもあるテネシー州産の「サトウカエデの炭」で
濾過(チャコール・メロウイング)した後に樽で熟成するところです。有名なブランドには「ジャック・ダニエル」 などがあります。

3.カナディアン・ウイスキー【Canadian whisky】

※ブランド別の紹介はコチラ

◆カナディアン・ウイスキーは、連続蒸留したフレーバーリング・ウイスキーと高純度のベース・ウイスキーの二つの原酒を造り、
カナダ国内で最低3年間以上樽で熟成させたものを「カナディアン・ウイスキー」と呼びます。
特徴としては、世界の五大ウイスキーの中では、最も軽快でライトなウイスキーという点です。フレーバリングウイスキーは、
ライ麦を原料の主体にして、連続式蒸留ののち、さらに単式蒸留を重ねて、おだやかな穀物香味の酒をつくります。
ベースウイスキーは、とうもろこしが主原料で、連続式蒸留によるきわめてクリーンな酒です。
両者ともに、樽熟成として、ブランデー樽、シェリー樽、バーボン樽、ホワイト・オーク樽などを使い、
それぞれの熟成期間を経て出来上がり、それらをブレンドしながら造られていきます。

4.ジャパニーズ・ウイスキー【Japanese whisky】

※ブランド別の紹介はコチラ

ジャパニーズ・ウイスキーは、アイリッシュ・ウイスキーよりもスコッチ・ウイスキーに近いと言われていて、
日本でウイスキーがづくり始められたのは1870年頃。その後、販売用の生産が開始されたのは1924年のことですが、
サントリーの創業者「鳥井信治郎」とニッカウヰスキーの創業者「竹鶴政孝」から始まりました。
もともと、問屋で丁稚として奉公していた鳥井でしたが、その後、寿屋(後のサントリー)を設立しました。
最初は、洋酒の輸入販売を行なっていましたが、ポルトガルワインをもとに独自に開発した「赤玉ポートワイン」が大成功します。
しかし、その成功だけに満足しなかった鳥井が、生涯を掛けて取り組んだものこそ、「日本人向けのウイスキーの製造」でした。
鳥井は、社内の反対を押し切って、千利休が茶室を設けた大阪府島本村の山崎の地に、日本初のウイスキー蒸留所の建設しました。
そこで鳥井は、通常のサラリーマンの数十倍という給料を出して、山崎蒸溜所の所長を招く訳ですが、その人物こそ、竹鶴政孝だったんです。

竹鶴は、スコットランドで蒸留技法を学んでいて、1920年代初頭にそこで得た知識を日本に持って帰って来ました。
寿屋で勤務していた間、竹鶴は鳥井の山崎蒸溜所設置に重要な役割を果します。そして、1934年、竹鶴は寿屋を退職して
大日本果汁(後のニッカウヰスキー)を、スコッチランドの地形に似た北海道余市町に余市蒸溜所を設立しました。

かつては、スコットランドで生産されていないウイスキーは、伝統的なウイスキーではないと考えられてきたため、ジャパニーズ・
ウイスキーは、陽の目を見る機会は少なく、その殆どが、国内向けのものでした。しかし、その後、ブラインド・テイスティングなどが多く催される中で、ジャパニーズ・ウイスキーもテイスティングの対象となっていき、
その中で幾度と「山崎」や「余市」を筆頭に高い評価を受けるよになり、現在の地位を築きあげるまでに至った訳です。
彼らの熱い情熱から誕生した「ジャパニーズ・ウイスキー」。「命の水」と呼ぶに相応しいウイスキーを彼らは生み出した訳です。

5.その他【Other’s whisky】

この他にも、規模や大きさは様々ですが、いくつかの国々でウイスキー造りは行われているようです。
ヨーロッパでは、イギリス南西部のウェールズでは「ウェルシュ・ウイスキー」として、
古くからウイスキーは製造されていて、1984年に一度途絶えましたが、2000年に製造が再開。
その後、2004年3月1日に出荷された始めました。

他には、イングランドの「イングランドウイスキー」や、スコッチ原酒を国内で熟成からブレンドから瓶詰めまで行う高品質のウイスキーを生産している「ドイツ・ウイスキー」、そして、大規模ではないももの、そのドイツ隣接国のスイスやオーストリア、フランス、北欧では、スウェーデンなどでも造っているそうです。

また、アジアを見てみれば、タイでは、国内のみで生産されているウイスキーを呼びますが、焼酎の仲間のようなもので、米と糖蜜を主原料とし、発酵させたものを蒸留し、ウイスキーの香りを付けているそうです。他のウイスキーより甘みが強いのが特徴。代表銘柄は「メコン・ウイスキー」というもので、秋篠宮文仁親王もファンだそうです。日本で一般的な飲み方の外に、特殊なものとして、ストレートを半口とミネラルウォーターを交互に飲む方法と、タイ漢方薬などの薬草と混ぜて飲むヤードーンと呼ばれるものがあるそうです。その他には、インドのウイスキー、オーストラリア、ニュージーランドなどでも造られています。

ちなみに、韓国には「スコッチ・ブルー」と「ウインザー」という2種類の国産ウイスキーがありますが、実は、韓国にはウイスキーの蒸留所はなく、
ウイスキーの原酒を海外から買ってきて、韓国内で熟成・ビン詰めをしているらしいです。